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Posted by - 2017.09.23,Sat
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Posted by LittKidd - 2008.04.23,Wed
ディックの美しい短編を読みながら終電で帰る。
ぼろぼろに崩れて、淀んで、腐り、荒廃して灰と塵にまみれ、もうけして元に戻ることのない世界。
そんな風に描かれたディストピアに、うっとりとしながら電車に揺られている、週の半ばの夜でした。

渋い色合いの、仕立ての良さそうなスーツを着た初老の紳士が、ロマンスグレーのオールバックを弾ませて、「ワッセ!ワッセ!」って中くらいの声で言いながら、すごく無邪気に車両を駆け抜けて行きました。両手で持った大きなカバン。軽やかな、少年のような笑顔で。


伝わんないんだろうな、あのハピネス感。なんであんな楽しそうなんだよ!走りながら「ワッセ」って口にしてる人を、じっさいに見たの初めて。

…負けた。せっかく育んでた俺のディック感がだいなしです。もうワンセグでも見てやれ。
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Posted by LittKidd - 2008.04.10,Thu
そう、俺はブタ。
だって虎よ虎よの主人公が言うのですよ。んであ〜るのセリフでたしか「大衆はブタだ!」ってのがあった気がしたんだけど、と思ってここを見てたらどうやら元ネタは別にあるみたいですね。つーかなんかめちゃめちゃ面白そうだな『男組』。

とゆうわけで『虎よ、虎よ!』をようやく読了。ものすごく面白かったし、感動した。
「どうやったらこんな話を思いつくのか」「どう収拾をつけるつもりか」、ほかにも昨日だらだら書いてたような、いろんなゴツゴツとした異物感をずっと感じていたわけだが、結論としては、小説の器量(スケールもだが)のでかさゆえ、今の自分ではそのまま呑み下しきれない部分が多かった、とそんなことのようですどうも。パルプがどうだとか神話がどうだとか、そんなちまっとしたコトじゃなかった。「お前はブタだ」とまさしくフォイルにそう言われたような爽やかな敗北感。言い切っちゃうけど、こうゆう読書体験はSFならではです。少なくとも僕はそうだわ。今一度、力を付けて挑んでみたい一冊です。

楽しみにしてた訳者あとがきが本編に負けず劣らず難解で、しかもあっという間に終わってしまうのでえーッという感じでいたら、直後に浅倉久志先生の丁寧な解説が待っていたので救われた。まさに解題、という感じで、なんか作品がわかったような気になるのだからさすがです。ベスターのバイオもフォローしてあり、コミックライターとかラジオ・TVの脚本やってたらしい。スーパーマンにグリーンランタン、キャプテンマーベルetc。たしかにね、立ち回りのシーンのスピード感やら、特殊能力を発揮する瞬間、を描写する身体感覚的なものは、ふつうの小説家には醸せない何かがあります。動きがあるというかマルチメディア的(終盤のマルチメディアっぷりは圧巻)というか、だから本当映画に向いてると思う。これが1956年発表て、すごいなあ。こんなこと滅多に思わないけど、この小説だったら映画化してほしいかも。リドリー・スコットかバーホーベンで。悪そうで金持ってそうな大人がいいですね。

あー明日から何読もうー。心地よい虚脱感。
Posted by LittKidd - 2008.04.09,Wed
「あいかわらず退屈なかたね。フォーマイル。さあ、啓示をお受けなさい。これはアルマゲドン(世界の終末における善と悪の決戦場)なのよ。……花ひらく怪物よ。あなたに見えるものをおっしゃってごらんなさい。」
(旧文庫 P223 オリヴィア・プレスタインの台詞)

つーわけで噂に違わぬ面白さの『虎よ、虎よ!』ですが、その面白さの中身が説明しづらい。
え、ここでコレ?みたいなの話の連続で展開が読めないし、意味のわからないシーンや絶対無駄だろうコレって描写も多いです。余分な何かをそぎ落とした、計算し尽くされた、ソリッドな(そして現代的な)プロットの面白さとは正反対のもので、豊饒、猥雑、プリミティブさといった語句が浮かぶのだが、それがたんに昔の小説だから(洗練されていないから)なのか、作者のベスターがそこを意識して描いてるのか、が本当にわからない。

ようは筋立ての破綻した、B級パルプすれすれ。という印象を下手したら持ちかねない作品。「復讐」というストーリー上の一本のラインに、扇情的なシーンをただただ詰め込んで次号は次号の風が吹く、っていう月刊探偵誌的なやつですね。あえてそういうガジェットに乗せて話を語る、という手法は、タランティーノやP.オースター(ブコウスキーも?)らによって90年代にはわりとポピュラーなものになったと思うのだけど、ベスターがそうした意識で、いわば「パルプっぽくやろっかな」って思ってやってるとは考えにくいし…。やっぱ無意識なのかしら。でも『モンテ・クリスト伯』というベースもあるわけで、てゆうか実際の文章読むと、ぜったいこの人天然じゃないし、ウーン。

1956年発表、というのがまた微妙で。これが60年代ならブローティガンやバロウズの時代。そんな無邪気で無意識ではいられまいよ。というか、読んでてすごく連想してしまった小説は『裸のランチ』でありました。バロウズがこの本を読んだかどうかとかは知らないけど、そして『裸のランチ』ほどストーリーに筋がないわけじゃないが、こう、フラッシュバックするように強烈なイメージ/状況が立ち表れる感じは、きっと「ジョウント効果」というこの作品における発明の影響も大なのでしょう。ジョウントとは人間の精神で作用するテレポート能力なのだが、もう世界中のほとんどの人が使える、といってもいいくらい普及していて、「ジョウント時代」と呼ばれる世の中を舞台にしている作品だけに、場面転換のめまぐるしさがすごい。でもそれがバロウズのいわゆるカットアップ的なものに発展するかっていうと、そういうアバンギャルドさ(ある意味の洗練性)は前述のようにみじんもないわけで。豊饒、猥雑、プリミティブさは、そのまま主人公のキャラクターでもあるので、その彼を中心にすえた「神話」として読むのがいいのかもしれない。神話ってたいていそんな感じじゃない?前後矛盾してたり、何ソレ?みたいな意味のわからない話があったり。ってことはそっか。ベスター自身も神話を意識して書いた、て説もありうるのか。パルプじゃなくて神話系の荒唐無稽。

まあなんつうか読みかけで考えてることなんで、結論出ない。解説まで読み終わるのがひじょーに楽しみ!です。
てゆうか訳の読みづらさ、わかりづらさにわりとびっくりしながら読んでます。別に嫌いな文章ではないし文章が下手ともまったく思わないのですが、新装版出すんなら、どうせだったら訳も新訳にすればいいのにって思っちゃう。そしたら新しいのも買うのになぁ。先進的な内容だけに、時代に合わせ翻訳があってもいい本だと思う。名作の誉れも高いわけですし。どっかで映画化決まる前に!どーですかハヤカワさん!

まあでも復刊された自体が画期的なことなんすかねー。
Posted by LittKidd - 2008.04.04,Fri
夕方4時頃、ちょっと空いたのでお昼を食べに外へ出た。
きのう泊まりだったので、この時間ですでにもうちょっとふらふらしてるのだ。ねみい。




なにげな〜くいつも行く会社の近くの古本屋さんに寄ってみると、わりとずっと探してたアルフレッド・ベスターの『虎よ、虎よ!』をそれとな〜く発見。ヤ〜ンなにそれなんかのご褒美かしら!さらっと書いちゃったけどコレは相当にうれしす。興奮の嵐。ほかにもスタージョン『夢みる宝石』とかハインラインの『人形つかい』、ディックの『悪夢機械(ギーガーが表紙の)』等そのへんの、はんぱに古い感じのハヤカワがばらっと固まってたのを、まとめて発見、保護なのれす。虎よ虎よは、表紙もかなりイカス感じ。
前から思ってたんだけど、光芳書店、なかなかやるじゃない。ていうか現行モノ以外のSFはほとんどここで買ってます。感謝しております。

即購入したそれらを小脇に抱えてマックへ直行。レジにてじゃんけんに勝利(勝つと¥100マックがただでもらえるキャンペーンやってた)、三角チョコパイを選んでコーヒーと一緒にさっそく『虎よ、虎よ!』を読み始める。さすが『SFハンドブック』でオールタイムベスト7位を獲った名作…のっけから面白くて、会社戻るのが少し遅れた。あと三角チョコパイ、タダだけあって異様に美味かったです。

これでしばらくSF力を溜めるぜ〜。あ、タイトルの意味(原題『TIGER!TIGER!』)は、ウィリアム・ブレイクの詩からみたい。てかブレイクほど引用される詩人(画家)もいまい。個人的には『レッド・ドラゴン』が最初の出会いだったけど、小説のインパクトと相乗して、あの絵の印象深さは尋常じゃなかった。安く手に入る詩画集みたいなの売ってないかなあ。



<追記>

ていうか再発されたばっかでした。まあいいけど。

ん?ゴーレム100

ああ、国書刊行会といえばこんなのも…

…カネにモノをいわせたい!(カネがあればね)(あと時間もね)
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