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Posted by - 2017.06.26,Mon
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Posted by LittKidd - 2009.08.05,Wed
『年間日本SF傑作選 虚構機関』/大森望・日下三蔵 編(2007年度の国産短編SF傑作選)を読んだ感想です。

・『グラスハートが割れないように』/小川一水
セリフ廻しとか、なんかいろいろこっ恥ずかしすぎる。いきなり挫折しそうになりました。
よくこれを巻頭に持ってきたなあと。

・『七パーセントのテンムー』/山本 弘
『アイの物語』の人だ。読んでないんですけど、読んでみようと思った。
チューリングテストに合格しないんじゃないかって思う人は周りにもいっぱいいるなあ。自分とか。

・『羊山羊』/田中哲弥
面白かったけど、筒井康隆そのまんまじゃね?という感想。他の作品はどうなのだろう。

・『靄の中』/北國浩二
オタク臭が半端ない。同人誌っぽい。そこがいいのかも。

・『パリンプセストあるいは重ね書きされた八つの物語』/円城 塔
わけはわからなかったが面白かった。ここまで前衛的だとSFだとか文学だとかはブッ飛んでしまうような気もする(どっちにもメンチ切ってるというか)。理系エリートな人たちがどう読むかは自分にはわからない。

・『声に出して読みたい名前』/中原昌也
これを「SF」として業界の傑作選中に紹介することで誰が得するんでしょうか。
一般文芸ではマイナーな存在である中原という人が、SFのジャンルにおいては客寄せパンダ的に扱われているのでは、という疑念が浮上。

・『ダース考 着ぐるみフォビア』/岸本佐知子
岸本女史の言語センスを堪能。変わらず素晴らしいです。
ダースべーダーのテーマを思い出そうとしてるのに、どうしてもゴジラのアレになってしまう自分が残念。

・『忠告』/恩田 陸
ふつうに星新一。星新一トリビュートで書かれたものだそうだから、それでいいのだが。

・『開封』/堀 晃
夢野久作にもよく似た短編がありました(たしかちくまの全集に収録)。

・『それは確かです』/かんべむさし
いかにもショートショート、という風情で楽しく読めた。お年を召すとこういうのを書いても許される、ってことだろうか(暴言)。

・『バースディ・ケーキ』/萩尾望都
のほほんとした感じが箸休め的に良かったです。卵の殻みたいなものなのね。

・『いくさ 公転 星座から見た地球』/福永 信
この人には興味が湧いた。こういう、小説の枠組み自体を壊したみたいなすかすかした感じは非常に面白い。
なんか屋根も壁も無い家ができました、どう?というような楽しさ。たとえばこうした形式で長編を書けるのか、構造的にこの強度でもつのか?いろいろ想像させられる。
ただSFにおける思考実験というものとはまた違って、この小説は一種のアートとして書かれていると思う。

・『うつろなテレポーター』/八杉将司
やっとSFきたーーー。仮想世界に「中」と「外」があり、一方が一方に完全に隷属している設定が面白い。
SF的な語彙の少ない自分が表現すると『ディアスポラ』プラス『順列都市』みたいな感じでもあるのだが、視点を変えることで新しい倫理問題や社会の有りようなどが形作られている点がSFだし、かっこいい。ストーリーもまとまってる(まとまりすぎな気もするけど)し、この人のは他の作品も読んでみたいかもと思った。

・『自己相似荘』/平谷美樹
ミステリ?仕立て。本文中にたいへん唐突に挿入される、トリック?の大前提となる「学説」が一読するなりいかにもな嘘っぱちで、俺程度も騙せないようじゃこの人、嘘が下手くそだなあ(小説も)。と思っていたら、作者本人があとがきでこの学説のリアルさこそがこの作品のうまくいってるところであり、こうして読者を「煙に巻く」ことが自分の創作の秘訣なのだ、と語っていてちょっと唖然とした。巻かれてないない。なんかバレバレの手品をしている人に「もうちょっと練習した方がいいっすよ。マジで」と言ってあげたい気分。

・『大使の孤独』/林 譲治
三人称で書かれるべきだったと思う。
ネタに新鮮味がないし、文章も散漫。真面目に書いてるのかなあこれ…となると主人公の美少女っぷりを描いて読者の興味を引くくらいしかないと思うのだが、作者は主人公の少女の一人称で、脇役のおばさんの容姿を描写するのである。誰得。

・『The Indifference Engine』/伊藤計劃
短いものでも、読むとこの人は本当に「世界」に対して真摯に向き合ってたんだな、と思わされる。
全部とばして、早くこれ読めば良かった。でかいものにがっぷり四つで組み合えばそれでいい、とはけして思わない。でも伊藤計劃は、血まみれでそんな小説を書いている(いた)、と確かにそう思う。そういう人が、いま居るだろうか。月並みで陳腐な言いぐさと自覚しつつ、SFはこれからのSFに代え難い人材を失ってしまったと思う。

フランスかどっか、外国の雑誌に応えた円城塔さんのインタビューを読むと、「いま日本でSFを読んでるのは五千人くらい」なのだそうだ。まじかよ少なっ!と疑問に思っていたのだが、本書の編者あとがき(日下版)を読むと、2007年に横浜で行われた日本初開催の世界SF大会(ワールドコン)は、五日間でのべ15,000人(うち有料入場者数3,332人←ここ)を集めて「大成功をおさめた」んだそうだ。いや、そんな規模だったんですね…日本のSF。自分にしても行ってないし、SF好きとか言いながら全然読めてなくて、まずそういう状況を知らないことが良くないことも分かっているのだが、ちょっとショックな数字だった。下手したらいま日本でセカンドライフ(ゲームのほう)やってるヤツより少ないんじゃないか。別に義務感とかじゃなくて、もうちょっとSFにちゃんと打ちこみたい、読み続けていきたいと思いました。
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