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Posted by - 2017.08.17,Thu
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Posted by LittKidd - 2008.07.24,Thu
なんだかんだでようやく読み終えた、二回目。やっぱりすごい小説であり、SF。正直言って、自分が書けるようなことは何もない。この小説に関しては。

イーガンは長編しか読んでいないが、『ディアスポラ』は他の(邦訳された)3冊の長編とは、全く違った作品だと思う。テーマやモチーフ的にかぶる部分はもちろん多い。だがその成り立ちから意義まで、スケールの規模という以上に、性質面の違いで、もう同じ檀上では語ることのできないもの、と言っていいだろう。SFというジャンルを徹底的に追究しつつ、その結果SFだとかなんだとかを(量的な変化が質的な変化に転じるかのように)超えて生まれた、誰も読んだことが(書いたことも)ないような物語。現代の、これからの小説で、世界的な評価を受け、たとえば「文学の革命」と呼ばれるような作品が書かれるとしたら、それは『ディアスポラ』を読んだ、踏まえた人の手になるものでしかありえないはず。そう言い切ってしまいたいぐらい、人類と宇宙の未来に対して普遍的な示唆を含む、ノンジャンルに広く読まれるべき作品。

もしも人間が、千年間生きられるとしたら?それどころか、タイムスリップで過去にも未来にも行けるとしたら?
たとえば人間の生存環境が、今の何万倍も広がったとしたら?どころか、何光年も先の星々へ一瞬でテレポートできるとしたら?

SFは、そうした「もしも」や「たとえば」を過去何十年にも渡って開拓し、自身の歴史に蓄積してきた。驚きとセンスオブワンダーと古い自己の破壊、それはつまり新しい発想により、個々の、もしくは社会の意識領域が拡張されることの快感でもある。端的な例として、環境の変化が生物のあり方を変えるということ、その変化と結果を想像し計算することが、SFの醍醐味のひとつである、ということが挙げられるだろう。物理スケールのでかさで読者を圧倒する『リングワールド』は、そのすごく良い例だ。実際にリングワールドを建造したとして、という「たとえば」に数多くのSFファンが熱中した。

「フロリダのある高校のクラスでは、錨鎖(チェーン)パイプ・システムの装備が必要だという結論が出された。
ケンブリッジのある教授からは、〈構造材(スクライス)〉の最低引っ張り強度の概算が送られてきた。」(続編『リングワールドふたたび』の献辞より)

ほかにも姿勢制御ジェットが必要だだの隕石防禦に関するパラメータだの、もうみんなわくわくしてやっているのである。


つづく
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