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Posted by - 2017.04.26,Wed
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Posted by LittKidd - 2009.11.23,Mon
WATANAVADERにアシモフ・ムーア責めに遭って嬉しい悲鳴を上げている最近。
アシモフに関しては、ロボットものから読み終えて、そののちファウンデーションの続き(シリーズの途中までは読んでいる)に取りかかろうという算段です。

まずはベイリ/ダニール・コンビの二冊を。推理小説でありバディもの、そして何よりロボットという概念を今ある状態にまで掘り下げた名作、というぼんやりとした認識くらいはあった。しかし読んでみてこんなに面白いとは…いわゆる名作って、「まあ今じゃなくても良いかな」なんて具合に後回しにしてしまいがちだったりするけど、読むとだいたい「もっと早く読んでりゃ良かった」って思うんだよね。そんな感じの典型でした。

二冊の共通項として、ベイリ(と読者)を生徒としたSF教養小説だということがある。
ロボットとは。そしてロボットが必要とされる社会とは、こういうものなんだよっていうアシモフ先生の人類啓蒙教室みたいな趣があるよね。つまり…普通ではあり得ない殺人事件を探って右往左往する中で、地球と人類とが今まさに瀕する危機が存在すること、それに向き合わずして自分の子どもたちに明るい未来のないことを、ベイリは様々な演者に示される、多様な観点から学んでゆくわけです。増え続ける人口に対し、枯渇する一方のエネルギー。そこには絶対的矛盾がある。この煮詰まった都市国家という袋小路を、人間はいかにして抜け出すべきなのか。

SFってやっぱり社会丸ごとを描くものなんだなーってのを今更ながらに思わせられるし、そこで提唱されるC/Fe社会(人間とロボットの共生)という概念は、現代の科学の有りようにもきっと影響を与えている…ような気がする。そんな風に、大きな知の一端に触れているような錯覚さえ覚えさせてくれる。アシモフ・マジックですわ。

推理ものとしては『鋼鉄都市』のほうが評価は高いのかもしれないけど、個人的には『はだかの太陽』のほうが好き。『鋼鉄都市』よりつっこみ所は多い気はするけど(“ヨシャバテ!"って言い過ぎなとことか。でも前作でも訳されてないだけでけっこう言ってたのかも)、ベイリが、教えられるというだけでなく、「自分たちに必要なのはこれなんだ」みたいな感じで「はだかの太陽」を真正面から見据える、人類という種としての使命に目覚める、的なラストが爽快でいいです。あとあんなに異常に感じられるソラリアが実は「地球にそっくり」なのではないか、という指摘も目から鱗的な転換で面白い。どっちもダニールは意外と活躍しないね。ベイリが勘で突っ走って、でもその行動と直観がどうにかこうにか事件の謎を解き明かしてゆく、というそのトライアンドエラーっぷりがサスペンスを盛り上げるし、ハチャメチャで面白いとこでもある。

短編をのぞくと、『夜明けのロボット』に続いてこのシリーズは一応終わりってことになるのかな。この流れがファウンデーションの世界観にどういう風に絡んでゆくのか、楽しみ。やっぱ発表年順に読むのがいいかしら。一回作戦を練る必要アリ、みたいです。
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Posted by LittKidd - 2009.09.10,Thu
ノベルでエンタングル!(日下部匡俊/原作:矢立肇 伊藤岳彦)

面白かったです。けっこうあっちゅう間に読んじゃった。アニメの核心部分を補完してたり、新しい背景が見えたりして、ビビッドによみがえった。ゼーガは本当によくできた、というかスタッフの熱意の感じられるSFで、やっぱりそれなりにマニアックでもある。この小説自体も、確かに設定説明は多いのだけど、アクションシーンがしっかりしていたり、ちょっと軍事小説でもあるかのように戦闘中の駆け引き、戦略なんかが精密に描かれたりもしていて、著者の真面目さがうかがわれるなあ。QLの制限の多さ、常にこれに縛られて動いてる感じなんかは、むしろアニメよりも世界観を盛り込んでいて、そういうとこでリアリティを作ってるのは良いなあと思った。

ボーイ・ミーツ・ガールなプロットは全体的にちょっとフォーマットぽいんだけど、じゅうぶんにSFであり、エンターテイメントでもあった。積層化QLの設定がこういう風に発展させられるとは…てかナーガってそうなんだっけ?みたいなところは、アニメと小説をうまいことリンクして昇華させている。幻体とか、各艦に存在するやけに人間らしいAIとか、そういうSF的な面白みがいっぱいあるよね。じっさい、10代後半〜20代前半で観てたら多分決定的な影響を受けていたような気もするよ。エヴァどころじゃなくハマってたと思う。うーん。ゼーガって、どうしたらヒットしてたんだろうなー。

ガンナーとウィザードていう設定はエロティックで、しかもせつない。舞城王太郎の短編にちょっと似たのがあって、男が女に直接パイロットとして乗り込んで、女の肋骨を握ることで戦闘機である彼女を操作して戦うんだけど、やっぱり戦死とかいろいろあるわけです。つきあってた彼女が撃墜されて男だけが助かって、でもじゃあ「次の」パートナーとすぐ組めるの?飛べるの?みたいなこととか。ゼーガでもそういうエピソードはあったよね。SF一辺倒じゃなくてそういうドラマ的な部分も印象に残ってるんだけどなあ。でもまあこうして今年の6月にノベライズされたりするんだから、根強いファンはいるんでしょう。あと巻末の対談読んで、「やっぱりみんな6話でハッとするのね」と思ってちょっと救われました。いやそこで安心すんなよ!4話あたりで気づこうぜ、という反省を新たにSF者を目指す決意をした、という点で自分的にも忘れられない作品ですゼーガペインは。だってカミナギ、アニメのベストヒロインだもん俺の中で(←そこかよ!)。

シリーズのプロダクトは今後ないかもだけど、でもきっと後の作品に種を残し、芽吹いていくタイプだと思う。そんだけの中身は詰まってるもんなあ。と再認識しました。読んで良かったぜ。

あ、でも表紙のレジーナはちょっとやっつけっぽいと思いました。
(でもカワイイけど)
(そしてオビを取るとちょっと恥ずかちぃけど)

♪サントラ『ゼーガペイン O.S.T.2』/2nd truck『消されるなこの思い』を聴きながら。
Posted by LittKidd - 2009.08.29,Sat
Amazonのレビューがめちゃ面白げだったので読んでみた。

思ったのとちょっと違くて、わりとグロかった。でも小説としての完成度は高いと思う。描写が上手い、文章が上手い。三部作だけどまだ完結してないとのこと。作者は地中海方面の造詣が深いらしく、料理とか食材の描写が旨そうでいいですねえ。

だれか国産の「文句なく面白い」SF教えてくれませんかーーー!
Posted by LittKidd - 2009.08.29,Sat
ジョージ・オーウェルのほう。七月に出たという新訳で読みました。

スゲー面白い、というかこんなに手応えのある小説は本当に久しぶりだった。個人的にはフォークナー『八月の光』以来の大物。1948年執筆らしいけど、まったく古さを感じさせない。いやむしろこれは現在の話だ、と思わされた。いや皆さん思うわけだこりゃ。徹底してます。残るものにはそれなりの理由がある。

「名作文学」ってバカにできないんだな。
Posted by LittKidd - 2009.08.05,Wed
『年間日本SF傑作選 虚構機関』/大森望・日下三蔵 編(2007年度の国産短編SF傑作選)を読んだ感想です。

・『グラスハートが割れないように』/小川一水
セリフ廻しとか、なんかいろいろこっ恥ずかしすぎる。いきなり挫折しそうになりました。
よくこれを巻頭に持ってきたなあと。

・『七パーセントのテンムー』/山本 弘
『アイの物語』の人だ。読んでないんですけど、読んでみようと思った。
チューリングテストに合格しないんじゃないかって思う人は周りにもいっぱいいるなあ。自分とか。

・『羊山羊』/田中哲弥
面白かったけど、筒井康隆そのまんまじゃね?という感想。他の作品はどうなのだろう。

・『靄の中』/北國浩二
オタク臭が半端ない。同人誌っぽい。そこがいいのかも。

・『パリンプセストあるいは重ね書きされた八つの物語』/円城 塔
わけはわからなかったが面白かった。ここまで前衛的だとSFだとか文学だとかはブッ飛んでしまうような気もする(どっちにもメンチ切ってるというか)。理系エリートな人たちがどう読むかは自分にはわからない。

・『声に出して読みたい名前』/中原昌也
これを「SF」として業界の傑作選中に紹介することで誰が得するんでしょうか。
一般文芸ではマイナーな存在である中原という人が、SFのジャンルにおいては客寄せパンダ的に扱われているのでは、という疑念が浮上。

・『ダース考 着ぐるみフォビア』/岸本佐知子
岸本女史の言語センスを堪能。変わらず素晴らしいです。
ダースべーダーのテーマを思い出そうとしてるのに、どうしてもゴジラのアレになってしまう自分が残念。

・『忠告』/恩田 陸
ふつうに星新一。星新一トリビュートで書かれたものだそうだから、それでいいのだが。

・『開封』/堀 晃
夢野久作にもよく似た短編がありました(たしかちくまの全集に収録)。

・『それは確かです』/かんべむさし
いかにもショートショート、という風情で楽しく読めた。お年を召すとこういうのを書いても許される、ってことだろうか(暴言)。

・『バースディ・ケーキ』/萩尾望都
のほほんとした感じが箸休め的に良かったです。卵の殻みたいなものなのね。

・『いくさ 公転 星座から見た地球』/福永 信
この人には興味が湧いた。こういう、小説の枠組み自体を壊したみたいなすかすかした感じは非常に面白い。
なんか屋根も壁も無い家ができました、どう?というような楽しさ。たとえばこうした形式で長編を書けるのか、構造的にこの強度でもつのか?いろいろ想像させられる。
ただSFにおける思考実験というものとはまた違って、この小説は一種のアートとして書かれていると思う。

・『うつろなテレポーター』/八杉将司
やっとSFきたーーー。仮想世界に「中」と「外」があり、一方が一方に完全に隷属している設定が面白い。
SF的な語彙の少ない自分が表現すると『ディアスポラ』プラス『順列都市』みたいな感じでもあるのだが、視点を変えることで新しい倫理問題や社会の有りようなどが形作られている点がSFだし、かっこいい。ストーリーもまとまってる(まとまりすぎな気もするけど)し、この人のは他の作品も読んでみたいかもと思った。

・『自己相似荘』/平谷美樹
ミステリ?仕立て。本文中にたいへん唐突に挿入される、トリック?の大前提となる「学説」が一読するなりいかにもな嘘っぱちで、俺程度も騙せないようじゃこの人、嘘が下手くそだなあ(小説も)。と思っていたら、作者本人があとがきでこの学説のリアルさこそがこの作品のうまくいってるところであり、こうして読者を「煙に巻く」ことが自分の創作の秘訣なのだ、と語っていてちょっと唖然とした。巻かれてないない。なんかバレバレの手品をしている人に「もうちょっと練習した方がいいっすよ。マジで」と言ってあげたい気分。

・『大使の孤独』/林 譲治
三人称で書かれるべきだったと思う。
ネタに新鮮味がないし、文章も散漫。真面目に書いてるのかなあこれ…となると主人公の美少女っぷりを描いて読者の興味を引くくらいしかないと思うのだが、作者は主人公の少女の一人称で、脇役のおばさんの容姿を描写するのである。誰得。

・『The Indifference Engine』/伊藤計劃
短いものでも、読むとこの人は本当に「世界」に対して真摯に向き合ってたんだな、と思わされる。
全部とばして、早くこれ読めば良かった。でかいものにがっぷり四つで組み合えばそれでいい、とはけして思わない。でも伊藤計劃は、血まみれでそんな小説を書いている(いた)、と確かにそう思う。そういう人が、いま居るだろうか。月並みで陳腐な言いぐさと自覚しつつ、SFはこれからのSFに代え難い人材を失ってしまったと思う。

フランスかどっか、外国の雑誌に応えた円城塔さんのインタビューを読むと、「いま日本でSFを読んでるのは五千人くらい」なのだそうだ。まじかよ少なっ!と疑問に思っていたのだが、本書の編者あとがき(日下版)を読むと、2007年に横浜で行われた日本初開催の世界SF大会(ワールドコン)は、五日間でのべ15,000人(うち有料入場者数3,332人←ここ)を集めて「大成功をおさめた」んだそうだ。いや、そんな規模だったんですね…日本のSF。自分にしても行ってないし、SF好きとか言いながら全然読めてなくて、まずそういう状況を知らないことが良くないことも分かっているのだが、ちょっとショックな数字だった。下手したらいま日本でセカンドライフ(ゲームのほう)やってるヤツより少ないんじゃないか。別に義務感とかじゃなくて、もうちょっとSFにちゃんと打ちこみたい、読み続けていきたいと思いました。
Posted by LittKidd - 2009.07.23,Thu
最近、家(店)の内装やパフの新アルバムで忙しく、全然SFできてない。
ちゃんと感想を書く体力がないので、タイトルだけでもメモ。

◎ディック/『アルファ系衛星の氏族たち』
一個の精神病院として、星ごと隔離・管理されていたアルファ系の衛星の一つは、戦争により地球の管理を離れ発展、独自の文化を形成していた。戦争が終わった今、その利権を巡って様々な思惑や権謀が…という話。パラノイア、スキゾフレニア、ノイローゼ、躁鬱病といった「ジャンル分け」が、その星ではすなわち自分の属する氏族となり、一種のアイデンティティーともなる(居住エリアも氏族により異なる)、という設定が面白い。そこに「意識を持った粘菌(宇宙人)」やシミュラクラ(人間そっくりのアンドロイド)が絡んできて、一応SFの体裁になる。でもそういう転がせば面白そうな設定やガジェットを全然掘り下げないで、主人公の離婚話にストーリーが収斂してくあたりがディック。さすがディック。

◎ディレーニィ『バベル-17』
もう一度読みたくて、ずーっと気になっていたので再読。やっぱ面白い。ただのスペースオペラとは違って、言葉とは何だろう、という問いかけが全編を貫いている。世界にはまだ誰も足を踏み入れない新たな「知」の領域があるのかも知れない、ということに心が向かう、そこがSF。そして好き。やもするとスペオペな部分はテキトーに流してる風な雰囲気もあるが、そういうB級ぽいとこもまたいい。九官鳥の言葉を恐れる主人公リドラ(宇宙中にその名を知られる美女詩人)の心情や、「あなた」と「わたし」という概念を追究することで明らかになる謎の言語バベル-17の秘密と能力など、古い小説ながら、ハッとさせられるアイデアが詰まってます。

あとおとついかな、テレビつけたらBS2で前のスタートレックの映画やってたので観た。艦長(エグゼビアの人)のクローン?と戦うやつ。観れたの、後半の1時間くらいだったんだけど…面白かったです。宇宙空間での戦闘がカックイかった。「正面衝突」と「助走つけて、生身で宇宙に飛び出して敵艦に侵入」にはド肝を抜かれました。まずは映画から観てくかなあ。

あと遅ればせながら、日本の現代SFアンソロジー『虚構機関』を買いました。伊藤計劃と中原昌也がメインのお目当てではあるのだけど、国産の、今のモノを全く読んでいないのもやっぱりまずいよね、とは思うので。思ってはいるのです。
Posted by LittKidd - 2009.06.25,Thu
やっぱり死ぬ前に、立って歩いて、しゃべって、自分でものを考えるロボットをこの目で見てみたい。

今週のSPA!の中吊りの、『マジで探究〔電脳ラブドール〕の実現度』という見出しを目にして、そうゆうことを思った。人型ロボット、というものの需要を考えれば、現在のロボット研究の先端に性産業の分野から技術的なフィードバックがあったとして、それをあながち冗談とは言いきれない所がある気がする。例えば研究者が経費でラブドールを購入したり、メーカーに研修に行ったり、というようなことだ。なんかそんなプロットのエロマンガとかエロゲはすでに存在してそうだけど。

今まで実際に世の中に出てきた女性の人型ロボットを見ても、やはりそういう連想は働いてしまう。でもアプローチこそ違え、「より人間に近いリアルさ」を目指している以上、両者がどこかの地点で出会うのはある意味必然であるとも思える。そしてそこに介在する「ズレ」は、実はそんなに大きくないのでは、と個人的には推測する。なぜかといえば、「リアルな人型ロボット」には、また別の大きなニーズがあるからだ。

思いついたもうひとつのニーズとは、介護という分野だ。年寄りは増える一方だし、体力的にきつく、時間も取られる仕事だ。自分の肉親が介護対象なので、会社を辞めるように「やーめた」というわけにもいかない。サービスや施設は現在すでに、需要に追いついてないという状況だ。何より介護される側の気持ちとして…これはちょっとわからない。そんな変な「ヒトに似た何か」に面倒を見られるなら、純然たる機械のほうがマシだ、と思う人のほうが多いかも知れない。でも需要はあると思うんだよなあ。

体を起こす、拭く、食べさせるといった動作はヒトの体を扱う、という面でセックスに近いものがある。微妙な感覚(センス)と力加減(パワー)、そして「ヒトの形をしている」ということ。あくまでも「まだまだ未来の、これからだ―いぶ先」の話としてだが、人型ロボの用途は、この二つの産業分野でこそ求められるようになるのでは、という想像です。それらが実用となったとき、そこにはどれほどの差が存在するのだろうか?みたいな遊び。ひょっとしたらエロのほうは、ちょっと前で言う「バーチャル・リアリティ」的な所に行きそうな気もするのだけど。“Wii_Adult” みたいな。『バーチャボーイ・アダルト』みたいな。

そういう社会のニーズとかは置いて、この「ヒト型ロボットを見たい(作りたい)」という意識ってどこからくるのだろう。アトム誕生の場面を思い出したりする。すごくわくわくするのだ。年取ってから美少女介護ロボに甘やかされたい、みたいなのとは違う気持ちだよ、これは。

今から何十年か経てば、立って歩いて、しゃべって、自分でものを考えるロボットに会えるのかな。「彼ら」と「我々」は、果たして友達になれるんだろうか。そんなところに思いを馳せながら、『A.I.』とか『アイ,ロボット』とかまだ観たことないんです、ということを告白しておこう。アシモフのロボものもこれから読みます!

ロボ好きの人にはたぶん、鼻で笑われるようなことを言ってんだろなコレ。
Posted by LittKidd - 2009.04.30,Thu
朝、起きれず。春眠ってほんと何とやらだよネ。

やっとこさ読み終えました、『デイファレンス・エンジン』。
電気でなく蒸気というテクノロジーが、もう少し頑張ってたらこうなった。というのを、19世紀後半の主にロンドンを舞台に虚実(ほとんどが実在、らしい)の人物取り混ぜて描いた歴史改変もの。もうね、歴史に弱いんですよぼく。森有礼って誰。そんなレベル。だから詳しい人には面白いんだろうなあ、というのが正直な感想です。

主役といえるのはテクノロジーそのもので、仮定の世界をそれらしく作って動かす、というところがエスとエフ。とある小説がベースの一部となっていることや、「ガーニー」と呼ばれる蒸気自動車の由来など、巻末の補足辞典を読めば美味しそうなガジェットの宝庫であることはびしびし伝わるのだが…いかんせん基本が。もう幕末のこととか1mmも知らないんですよ。坂本龍馬が何した人かも知らないんですよ。ワーズワースにキーツ、はいはい名前くらいはね。でもとりあえずイギリスを中心とした近代欧州史のイロハを高校レベルで把握してる人向け、と断言します。逆に読めば勉強になります(偽の歴史の)。

ただ何も知らなくても楽しめる部分は作ってある、さすがに。下巻冒頭ぐらいからの、「巨獣(ランド・レヴィヤタン)」こと碩学マロリーの大冒険譚は手に汗握る面白さ。娼婦との情事の場面(異様に長い)におけるセックス描写は、これまでに読んだどんな小説よりも臨場感があり、しかもリリカル。ほんとここ素晴らしいです。ここだけでも一読の価値有り。ほんと珍しく、ポルノ以上に性に近づけている表現、というものを見た。あとつぶさに読んでいけば、わからないなりに、大きな時代の結節にさしかかり、ダイナミックな変化の流れに飲みこまれつつある大ロンドン、霧にけぶる中を縦横無尽に駈け巡る観光旅行に訪れているような気分にもなれるかも。色んな視点をかわるがわる、色んなとこ行くしね。だから楽しいっちゃ楽しいんですけど。やっぱり『超絶紳士同盟』くらいのわかりやすさが欲しいなと思った。

なので正直、スプロール三部作の方が全然面白かったね。ギブスンの新作はどーなんだろう。
Posted by LittKidd - 2009.04.12,Sun


観たい…と思ってたものだったので、アップしてくれた方に感謝。
音声がじゃっかん同期してないので「修正版を再アップ予定」だそうですが、そんなに画に変化もないので視聴に問題ありません。思ってたより若い外見だなあ。大森さん、「メタボ」ってフレーズに微反応?

『ハーモニー』の「百合」的背景にそんなソースがあったとわ!
といった感じで伊藤計劃氏のファンなら必見。

次回作の構想の話をされていて、それを聞くと、いま読んでる『ディファレンス・エンジン』をもっと大事に味わおう、っていう気持ちになりました。
Posted by LittKidd - 2009.04.10,Fri
『宇宙の戦士』も『老人と海』も読んだことない!のに読んじゃいました。やっぱり借りて。ありがとnavader!ほぼ8ヶ月くらい遅れて彼の後を追ってる感じ…ゼーガとか。アシモフとかギャラクティカとか、はいつになったら追えるのやら…。

突飛な設定と数々のSFガジェットが楽しい作品。わりとお気楽といえばお気楽な話なのだが、作者が上手くて、けっこうぐいぐい読まされた。75歳以上の男女しか入隊の認められないコロニー防衛軍、彼らは日々、エイリアンとの熾烈な戦争に明け暮れている。そこにはこんな秘密が…というお話。

親しみやすい主人公は、かなり魅力的な人物に描かれている。もとライターで一見リベラル風にも見えるが、小説の指向性はあっけらかんとした完全な右、だ。あまり苦悩とかもなく、ジョーク混じりに宇宙人を殺戮しまくる戦闘の様子はけっこうエグい、はずなのに、不思議なくらい重さを感じない。それは、戦争というひとつの「ガジェット」から罪悪感を払拭して、いかにエンターテイメントのリズムに読者を乗せるか、ということに比重を置いた作りだからだろう。作者がいくつなのかは知らないが、すごくゲーマーっぽい感性を感じた。内容的につっこみ所も多い気がするのだが、そこに目をつぶらせる面白さはあるなあ。2の邦訳がすでに出てて、3も向こうでは出版されてるらしいね。このシリーズの世界がこの後どうなるか、ちょっと気になります。

前のエントリ書いてて思い出したんだけど、『エンダーのゲーム』映画化は結局流れた、ってことなのかしら。
だとしたら残念…求む情報!
Posted by LittKidd - 2009.04.09,Thu
これは読んで良かった!74年のヒューゴー/ネビュラ賞受賞作。

SFでありながら戦争小説/文学であり、最後にはやっぱりSFだあ!とひっくり返される力強い傑作でした。リドリー・スコットが映画化、というのでネタバレはよしとくけど、この原作なら期待はでかい。変容していく地球、というか人間社会の不気味な姿、そして文字通りの「終わりなき戦い」をどう描写するのか…非常に楽しみです。優れた作品に注目が集まって、SF界にも良い影響があるといいなあ。

当然再読候補だし、SFマイベスト10に入るかも。借りて読んだけど、次は自分で買います。その前に『宇宙の戦士』読んで較べてみなきゃだし、あとスターシップ2と3、これも観とかんと〜。
Posted by LittKidd - 2009.03.24,Tue
次作が読みたかったなあ。デビューの『虐殺器官』で世界をグチャグチャにして、次作『ハーモニー』では、意識を主体としない新しい世界がある、という、真にまっさらな「次の」可能性を垣間見せてくれた。その、新しい小説を本当に読みたかった。

おれはただのヌルなオタですけど、そんな自分にSFの魅力を触らせてくれた方のお一人だと思ってます。
さようなら。ありがとうございました。


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