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Posted by - 2017.06.23,Fri
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Posted by LittKidd - 2009.04.14,Tue
人からよくお菓子をもらうのである。

なぜか特に、年下の人たちがよくくれる。本屋さんでバイトしてたとき、自動車工場でライン工として働いていたとき。年下の、でもバイトの先輩だったり、自分の「教育係」の正社員の工員だったりする男の子たちが、「高田さん、アメなめますか」「高田さん、ガム食べません?」とよくお菓子をくれた。工場の時なんか、一緒に風呂に入っていた社員に、「じゃあ風呂から上がったらなんかあげますよ」と言われ、実際にもらったことがある。今の会社でも、去年入った新人クンが、気づくと机の隅にガムとかクッキーとかをそっと置いていってくれたりする。お菓子をくれる人は、皆笑顔である。

断っておくが、自分から催促したりしたことはない。逆に、お菓子と引き換えに何か…というような要求をされたこともない。いや、本当は何か求められているのか?俺が気づいてないだけ?だとしたら、万死に値する鈍感BOYだ俺は。いや、皆さん好意でくれていたと思う。そう信じたい…。

ある日の帰宅途中、夜のホームで電車を待っていると、何か向こうの方で、すごい剣幕でぶつぶついう声が聞こえた。読んでいた本から目を上げると、50歳を超えたくらいのおばさんが、明らかにひとりなのに、横にいる(つもりの)誰かに説教しているのが見えた。「だいたいそういう能力がないのにも関わらずね、あなた私を巻き込んでどうするの、ね?」。完全にやばい感じなので、目をそらして読書に戻る。おばさんの声がどんどん近づいてきて、俺の真後ろでぴたっと止まった。ああ近い、近いよ。嫌悪感でいっぱいの俺のひじのあたりに、何か固いものが押しつけられている感触がある。見ると、ブルボンのアルフォートのパッケージ。花輪和一の漫画『刑務所の中』で、受刑者がひととき(めったにない)のレクレーションタイムの映画鑑賞の際に手渡される貴重なお菓子(刑務所では甘いモノがほとんど食べられない)であり、自分の中ではかなり伝説なお菓子である、あのアルフォートだ。

「あげるわよ、あなたに」とおばさんがはっきりした口調で言う。
「いや、大丈夫です。お腹空いてないですし」
近くで見ると、おばさんは意外と小さい。そして少し不安そうでもあった。
「おいしいのよ、これ」
「や、ほんと困っていないので」
「いいの。あたしだって、どこで誰に助けられるかわからない。今そこで買ってきて、毒なんか入ってやなんかしないんだから、食べなさい、ねっ」
「…じゃあ、いただきます。ありがとうございました」
「どういたしまして」

おばさんは微妙な笑顔をして、しばらくそこにいた。何か話しかけたほうがいいのかも知れないけど、どうにも思いつかない。そのうちおばさんは向こうのほうへ歩いて行ってしまった。その後自分が乗った電車に、おばさんが乗ったかどうかもわからない。家に帰って食べたアルフォートはおいしかった。初めて食べた。

断っておくが、自分からお菓子を催促したりしたことはない。お菓子をくれた人には、なるべくお菓子を買って返すようにもしている。あのおばさんにも、いつかお返しがしたいと思う。
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