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Posted by - 2017.06.26,Mon
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Posted by LittKidd - 2009.09.07,Mon


DVDで。始めに断っておくけどすごい傑作。

フィクションにはそれぞれ、作品として持ちえた強度というものがある。それは時代によって変わったりもするし色んなものが集合して成立するのだが、その一番大きな構成要素とは、フィクションの作者自身がどこまでそのフィクションの内容を「信じているか」ということになるのじゃないか、ということを前から考えていた。スポーツや政治、多くの「勝ち負け」が存在する分野においては、それは単に精神論と呼ばれる類のものであるのかもしれない。気合いや根性だけでは勝てない、というわけで、こう言えるのはとても科学的な態度だ。だが映画や小説、マンガといった創作の世界では、「信じている」ことは精神論ではなく、むしろ構造論とさえ言えるのじゃないか。『愛のむきだし』という映画を観て、その思いを強くした。

監督自身からしたシナリオの実現度は、勝手な想像だがたぶん67%くらいだろうか。と中盤くらいまでは考えていた。序盤、カット変わりのテンポの早さや、大げさなあおりの構図などがもうテレビドラマみたいな印象で鼻白むし、主演の西島隆弘のアイドルっぽい顔や安い(この時点ではそう聞こえる)セリフ廻しで、とても最後まで観られないような予感がしたものだ。でも話が進むにつれ、そういうマイナスの要素はすべて計算に入れた上での演出なんだろうな、と思うようになる。うまく言えないが、邦画が邦画というだけで持たざるを得ない宿命的なだささを逆手に取っているような感じ。そのフォーマットに乗せる以上、滲み出るだささをいっそスパイスにしてしまえ、みたいなことが、たとえば主人公ユウのパンチラ盗撮成功の瞬間のキメ顔にズームで寄る、とかのカットに表れていると思う。それらが「わざと」なのは、後半の画作りがちゃんと映画っぽくなっていくことでもわかる。そうすることの必要性は、結局はよくわからなかった。前半と後半でトーンが違ってたり、前半が極端にコント的なスピードを意識しているあたり。

シナリオは荒唐無稽で、冒頭の「この話は実話である」という字幕が何かの冗談みたいだ。「んなアホな」という話が続々と展開するが、「事実は小説よりも奇なり」みたいなくだらないクリシェを言いたいのでないことだけは確か。じゃあ結局この映画の何が素晴らしいのかというと、監督の園子温が、この映画に最初から最後まで一貫して、実に実直であるということ、ひたすら真面目に、傷だらけでこの映画のために格闘していることが伝わる点。それが具体的に「どう」見てとれるか、を書き表す筆力が自分にはないのが残念。あと、目茶苦茶に面白い点。女子高生のパンチラ、という共通項で「片腕マシンガール」を思い出すが(というかあっちにはほとんどパンチラ自体がなかったが)、あの監督は50年逆立ちしてもこんな映画撮れないだろう。いやー面白かった。

園子温は、詩人として露出していた時のパフォーマンスが青くさくていやらしくて大ッ嫌いだったのだが、驚いた。他の作品も観てみなければならん。あと、ヨーコを演じた満島ひかりという女優。この人はすごい。本当にすごい。役者のことを「すごいなあ」って生まれて初めて思ったよ俺は。他の作品も観てみなければならん。安藤サクラは顔を見るだけで心底気持ちが悪い。この人もすごい。ということでできれば知り合い全員に観て欲しい作品だが、食べて「美味しい」ものでもなし、オーセンティックな趣味の良い人ほど拒否反応が凄そうだし、誰も観てくんないだろうな。237分もあるしね(DVDは前後編の2枚組)。

公式サイト http://www.ai-muki.com/

9/10 追記:
自分のことを変態だと思ってるひとは安易に観ないほうが良いかも。軽くうちのめされます。
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