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Posted by - 2017.06.29,Thu
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Posted by LittKidd - 2009.01.21,Wed
母屋に住んでる兄夫婦は、ガレージに一人暮らしするシャイで変わり者の弟ラースのことが心配。いい歳で町の人達の評判もいいのに、いまだに独り身だし彼女がいたことすらない。そんなラースがある日、紹介したい人がいるから、食事に招待してくれないかと言ってきた。兄夫婦は大喜び。「30分待って。準備をするから」「静かな男にはいつも驚かされるよ。お前もやるじゃないか」そんなやりとりがあって、カットが変わると、ソファの上でニコニコするラースと、その隣に座らされた等身大のリアルドール(ダッチワイフ)がいる。彼女の名はビアンカ。向かいのソファには、事態を呑み込めずに唖然とする兄夫婦の姿。やおら話し出したラースのセリフの中で、タイトルの一文が語られる。ブラジルから来たんだよ、と。

『ラースと、その彼女』は、かなり面白かった。顔をしかめたり何かブツブツと呟いたりといった本当のチックらしい動きや、ラースのいやらしい部分(激昂したときの嫌な感じの口調や、女性を見る怯えたネットリした目つきなど)をキッチリやり切った主役の演技も良かったし、マーゴというヒロインの娘(カワイイ)、兄や兄のお嫁さん(この人がまたカワイイ)、ラースとビアンカを診る女医のおばさん(けっこうカワイイ。マジで)などの脇も良かった。あとラースがそうなった理由とか、あるいは物語から得られる教訓だったりとかっていう部分を押しつけがましく提示しないところがすごくいい。ここを抑えるのがこの映画にはすごく重要で、テーマ自体の成立にも不可欠なことだったと思う。

大人になること、愛すること、生きてゆくこと。人の営みとは、ほとんどの場合において他者の存在というもの抜きにはありえないものだ。どんな人でも、自分が生きて動いていることの背景には、いろんな人々の助けや影響があってそれが成立しているのだ、ということを普段は忘れがちだが、この映画はきっと、万人にそうした事実を思い出させてくれる。万人とかいうと胡散臭いんだけど、それくらい言ってもいいくらいの普遍性がある。ダッチワイフを人間だと思いこむ男の話…ぱっと見はエキセントリックというか突飛だが、その実、家族とか人生といったものすごくありふれたものがテーマだからだ。逆に「素敵でハートウォーミングなファンタジーですね」と簡単に切り捨てることだってできる映画でもある。そういう風にしか見ない人の気持ちも、分かる気はする。

ある人にとって、この世界はふたつに分かれている。ビアンカという一人の女性が生きている世界と、いいやビアンカはただのゴムとシリコンのエロ合成物である、という世界。むこうとこっちは皮一枚のようにも、また果てしなく遠く隔てられているようにも見える。ビアンカは特殊な例かもしれないが、誰もがこのハサミを持って、世界をずたずたに切り刻んでいるとも言える。好きな人、嫌いな人。メリットとデメリット。美人と不美人。男と女。自分に関係あるもの、関係ないもの。オイシイこと、メンドくさいこと。イケメンとキモメン。こっちと、あっち。でも本当は、世界はひとつなんじゃないだろうか。未分化の、未消化の問題や愛憎のごった煮、気が狂いそうな位に熱々のカオス鍋。だからよく切れるハサミを持ってる人ほど、うまくこの世を渡っていける。てゆうか自分や家族のために渡って行かなくちゃならない。生きる、ということはある意味で切り捨てることなのだ。

まあ話をデカくしすぎて結論を見失ってるわけですが、俺の感想は、「ちょっとした思いやりが大事」ってことです。いや本当にそう思うよ。矮小と言われれば返す言葉もないけど。

一番印象に残ったのは、ボウリングのシーン。
ラースの「成長」と人間的な幸福が、画面から溢れださんばかりです。
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