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Posted by - 2017.04.27,Thu
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Posted by LittKidd - 2008.10.15,Wed
能天気な映画が好きだ。痛快だったり荒唐無稽なほどいいし、観終わって気分がスカッとするようなものが望ましい。なので嫌々観に行ったのだった。でも行かなければずっと気になってただろう。

上映中、ずっと映画は負け続けていた。果敢に挑んではいたが、江口洋介と妻夫木クンではあの内容、あの現実には勝ちようがなかった。この現実とは、タイや他の国々で実際に行われている、臓器移植(臓器の提供)や売買春のために、幼児を含む児童が人身取引の対象とされている、という事実だ。犯され、性的、嗜虐的な暴力を受け続ける子供たちの表情。健康な臓器を取り出されるために、生きて手術台に上る少女。

劇中の人物が何かを口にするたび、スクリーンの向こうで「現実のタイ、いや世界中のあらゆる場所で、実際にはもっとおそろしいことが行われているのではないか」というあるべくしてある疑問が渦を巻き、その圧倒的な風圧を前に、映画という虚構がぺらぺらの紙細工のように力なく弊れてゆく。そんな思いで画面を見ていた。シンプルに、ただあまりにも重いのだ。ドキュメンタリーでやるべき、という意見もきっとあるだろう。だがこのテーマであえて劇映画を、という意志を持つこと、その意義も自分は理解できる、ような気がする。人気俳優が出て、話題を呼べば、この問題について考える人もそれだけ多くなる、ということ以外に、「劇作品」の力をこんなに試される題材もないだろうからだ。素晴らしいフィクション、美しい虚構と呼びたい傑作『顔』をかつてものした阪本順治監督の、今作での挑戦に、フィクションを愛するもののひとりとして、心の底からの拍手を送りたい。僕の目から見て、ごめんなさい、それは大いなる失敗と映ったのだけど。

思い出されるのは、町田ひらくのマンガだ。視点は違うし、言いたいことだって違うだろう。だが彼のマンガの、フィクションとしての強度はすごい。徹底的にリアルに、幼児性愛や近親相姦のありうべき情景が精緻に描かれている。そこに共感はまったく出来ないし、読んだあとは吐き気を催す(&ものすごい疲労感におそわれる)のだが、その作品は、「町田ひらくのマンガ世界」としてまったく揺るぎなく成立している。『闇の子供たち』を観て「これをそのまま事実として受け取ることはできない」「大げさに描かれている」「事実と違う」といった感想を持った人は、彼のマンガを読んでみるといい。そして、実際に行われていない、行われるはずがない、などいうことは誰にも言えない、ということが伝わるといいと思う。「起きていること」「起きるかもしれないこと」、その両方がおそろしいのだ。そういう想像力を持つべきだ。

そういう僕はというと。宮崎あおい(熱演だった!)扮するNGOの職員とその現地の仲間たちが、監禁された少女を売春宿から救おうとしている間、ずっと「自分がアイアンマンだったら」と考えていた。冗談じゃなくて、あのスーツがあれば、あんなやつらすぐに片付けて、助けてあげられるのに、そういう思いがちらつくのを止められなかったのだ。こうした物言いが、虐待されている子供たちや、アイアンマンにも礼を失するということは自分でもわかっている。ただどちらをも侮辱しているのではなく、自分の感じた情けなさ、悔しさが、この事実からきていることを述べておくべきだと思った。現実の世界にも、フィクションの世界にもよりかかるのでなく、自分の考えや立場というものをしっかり持たなくては、どちらを見てもきちんと評価することのできない人間になってしまう。あと、歴史や国際社会といったものをもちっと意識的に学ばなくてはいかんよなあ。しんどいなあ。そういったことを考えさせられました。
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