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Posted by LittKidd - 2009.06.13,Sat
SF者を目指す男としてこれだけは観なくちゃならん!と勢い込みつつ、でもけっこう遅ればせながら…ようやく観てきました。

そんな意気込みのわりに、映画もテレビシリーズも、オリジナルのトレック経験がほぼゼロだ。そんな男のどこがSFだって感じだが、そういうある意味貴重な「ゼロ目線」を前提とした、この映画の感想です。

(以下ネタバレ)

まず、オリジナルシリーズのカーク船長と今回のその人では、かなりキャラクターが違ってそう。その新機軸ぶりがどれくらいかわからないのだが、おそらく元の船長像は、英雄然としてゆるぎない父性を持った、完成された「頼れる男」として描かれているはずだ。冒頭で、800人の乗員と自分の妻子を救ったジムの父親は、その直接的なメタファーだろう。彼の死と、「新しいカーク」の誕生が、そのまま「シリーズの再生・新しい始まり」として描かれているわけだ。このあとで、タイトルばーん!スター・トレック!!っていうのはもう、限りなく正しいよね。文句なしだと思う。ここは、けっこうグッときた。観てるときは「シリーズの云々」とかって考えてるわけではないので、もう単純に、これこそキャプテンだッ!みたいな感じでストレートに盛り上がってたわけです。でも、これがこの映画のピークだったなあ。個人的には。

その後、やんちゃな少年時代をちらり、荒れてた入隊前をちらり、とかいつまみ。スポックとの対比で成長過程をやるのだけど、バックグラウンドという意味では全然スポックのほうに比重がある。後々の流れからいって、スポックの内面に焦点を当てるのは当然。でももうちょっとジムの方の性格とかその背景だかを知りたかった気はする。ヴィンテージ・カーはもしや母親の再婚相手のもの?とか、入隊前、なんでそんなにすさんでんの?とか。推測の手がかりはあるんだけど、もう少し詳細が語られるべきなんじゃないか。

なんでそう思うかというと、結局最後まで、ジムのことがいまいち好きになれなかったから。機転は利くし、行動力とそれを支えるガッツもある。強引なくらいのリーダーシップも持っている。そういう資質は十分伝わるんだけど、それにしてもトントン拍子に行き過ぎじゃないだろうか、この人。親父さんの信奉者に拾われて入隊、タイミング良くサブリーダーに指名され、反乱まがいの行動で追放されても、なんと(なぜか)偶然にも出会えた老スポックの計らいで、アクロバティックなカムバック。様々な種類の庇護のもと、劣等生が、一夜にして地球を救ったヒーローに!…なんか、「伝説のアメフト選手の息子はやっぱり名選手だった!」みたいなヒネリのなさを感じる。そして正義は勝つ!…的な短絡も。前半で荒れてる理由とか、やる気になったあとで一度は挫折したりだとか、そういう描写のひとつもあれば違うのかもだけど、そういう内面関係の表現はスポックの方にばかり割り振られている気がする。でも、これをやるなら二人ともでやったほうがいいのは明らか。好対照で、時に反発もしあいながら互いを認め合っていく、という二人のキャラクターは、今後もシリーズの大きな牽引力となるはずなのだから。スポックがジムに心を許すのが早すぎる、観ているとまだ、そんな風に思えてしまう。

キャラクターといえば、敵側のロミュラン人がちょっと可哀想すぎた。言いがかりに近い妄執とは言え、何もあんなお腹の大きい嫁さんを画で見せることないだろう。すっきりしない鑑賞感の原因のひとつは、この人たちの悲劇性にもあると思う。星(と民族、家族)をまるごと失って復讐(勘違いなんだけど)の機会を待ち続けること25年、てそりゃ集団ヒステリーにもなるわ。オリジナルとのかね合いがあるのかもしれないが、もっと極悪非道な憎き敵として設定できなかったのかなあ。カークとスポックの、戦い終わって最後、相手が「うん」とは言わないことを見越したうえで「望むなら助けてやる」的な、いたぶり感溢れるセリフもどうなんだろう。総攻撃!ってそんなことやってるから自分らもブラック・ホールに飲み込まれそうになるんではないのか。すごくJOCKS的というか、底意地と頭の悪さを感じさせる勝利で、あんまし気持ちの良いものではなかった。

全体の構造としては、ロミュラン星を救おうとしたスポックの赤色物質が逆に時間改変によるパラレルワールドを生み出してしまい、これまでとは違ったスター・トレック・ワールドが生まれた、ということになるのだろう。これは「焼き直し」の上手い方法ではあるかも知れない。何も全てが変わってしまったわけではない、キャラやエピソードのバリエーションに変化はあっても、基本的には旧シリーズと同じフォーマットが使えるやり方だからだ。事実、映画のラストは、テレビドラマのエンディングを思わせるような「つづく」感じの仕上がりになっていた。ちょっと疑問なんだけど、オリジナルのシリーズでも、あの「転送」ってあんなに万能なの?とりわけカークが辺境の星からワープ中のエンタープライズ号に転送された時に思ったことなのだが、スコッティが老スポックに「コレどうやったんだ?」て聞いたときの、「未来のキミが作った方程式さ」「なるほど!空間を物体としてとらえるのか!」というアレ。あの「卵と鶏、どっちが先か」のやりとり。この、船に戻れるか戻れないかという重要な場面で、SF的に使い古され尽くした感アリアリの、ほとんどギャグといっていいようなパラドックス、ソレがくるのか?!それで解決か?!と唖然としたんだけど、えーと。オリジナルのシリーズも、あんなに「ユルい」んですか?
ご都合主義、という言葉が久しぶりに頭に浮かんだ。だってあまりにも、である。

コミカルなノリと、「オリジナルとのかね合い」みたいなモノを盾にして、旧シリーズの遺産に守られて出航したお姫様、カーク船長と新エンタープライズ号。そんな風に見えた。
「旧来のファンも、新しいファンにも楽しめる、最高のスタートレックが誕生した」みたいなコメントを寄せてる著名人がいたが、このコメントは半分当たりで、半分ハズレだと思う。とにかく、この映画の次作ではなくて、オリジナルの方が強烈に観たくなる。旧作を知らない自分は、この映画の面白さの半分もくみ取れてないに違いない、と感じるという意味においてだ。

予告編で観た「ヴィンテージ・カー台無し」の場面が恐ろしく格好良かった(だから期待も高かった)のだが、本編でのあのシーンの音楽の使い方は、正直ダサ過ぎ。ビースティーの“SAVOTAGE”、曲はいいんだけど(それでもちょっと古い感はある)、よくわかってない奴が「不良の聴くのってこうゆう音楽だべ」っていう、手探りというかおそるおそるって感じでやっちゃった、というパターンに見えてしょうがない。なにも曲のフックをカット変わりにかぶせることはないだろう。せめて、車が落ちた時点で音楽も一緒に消えなきゃダメである。この映画のセンスが顕著に表れたシーンだった。

ロシア訛りの青年は良かった。T4でカイル・リースやってた子だよね。演技が面白いと思う。サイモン・ペッグはやっぱこういう扱いなのね。観られてちょっと嬉しかったけど、こんな映画(あ、言っちゃった)に出てるくらいだったら、イギリスで自分の企画に出演してるほうがいいような気もする。

なにもひねくれた観かたをしたわけじゃなく、普通に期待していった正直な感想がこれなんだよな。T4との関係ってことでも全然なく、ワンダーの少ない映画だなあ、と。ただT4とこっち、新しいことをしようとしてるのはどっちか?と聞かれたら、僕は迷わずT4を挙げるなあ。少なくともこの先どういう話になるんだろう、という楽しみがある。スター・トレックには、保守的な(趣味的な、と言ってもいい)面白みはあるのかも知れないね。だからこそ、これからオリジナルのシリーズを観ていきたい、とは思いました。にしても、旧シリーズのファンがこれに満足しているのは、すこし(S)不思議(F)である。
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