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Posted by LittKidd - 2008.03.10,Mon
最近はニコチンの禁断症状もずいぶん治まってきた。そんなにぶるぶる震えません。
数ある依存性をもつ嗜好物の中でも、ニコチンのそれはさほど強いものじゃないらしい。たとえばアルコールやシャブなんかに比べれば全然。じゃあなんでこんなに(禁煙が)辛いのかっていうと、自分じゃよくはわかんないけど、アルコールやシャブなんかより手軽にやれて生活に近い部分があるから、ようは習慣の問題ですかね。あとはなんか心理的な要因(幼児期に端を発する口唇欲求とやらを満たすためのオシャブリ、の代わり)でもあるんでしょうか。でもタバコを吸ってりゃおっぱいを吸わなくても平気、というふうにはならない(逆も)からそのへん不思議ですね、やめた後でも。

表題の、森博嗣の小説四部作によく出てきます、このタバコが。登場人物のほとんどが愛煙家で、全作通して小道具という以上の存在感を与えられてもいて、読み終えたのは禁煙前だったから、これは助かった。以下ネタバレせずにはたぶん続けられないと思うんで未読の方は読まないで。

ストーリーの内容はまあいいとして、このシリーズで一貫して発せられるメッセージが、「地上は汚い、大人は汚い、空だけが綺麗だ、空で戦って死にたい」ということ。ここまで言い切ってるわけではないかもだけど、大枠で間違ってないと思います。だとするとピュ、ピュアなんだね。ずいぶん。でもそこがブレない、ところがキルドレという設定に不可欠なのはわかるし、そういう思想の結晶のような草薙水素は確かに美しいとも思う。あるシチュエーションで、彼女が大勢の若手パイロットを前に講義をするくだりがあるのだけど、そこなんて読んでてもうぐらぐらしちゃいますよ。自分の非ピュアさに。うすうす知ってたけど、自分にがっかり!そんな感じで。
そうしたピュアさを上塗りするかのように、章の間ごとにヘッセやらサリンジャーの文章が引用されたりするのですが、あれはちょっと引くな。そこまで作者が主張しなくても、と思う。そんなしつこく言わないとわからないようなことでもないし、そもそもそんなにたいしたことを言ってるわけでもないし。

といったことからもわかるように、バランスのとれたエンターテイメント作品ではないかもです。読む人によってはつまんないだろうなあ。あまり読者を喜ばせようともしないし…という点では例の図書館シリーズとは好対照。プロダクションI.Gがこの二作を(「一般受け」と「一般じゃない受け」の)両翼として…とかって考えてるかどうかは知らないけど、一方がわりと敵味方のはっきりとした、ドメスティックで現実味タップリないざこざを描いてるのに対して、もう一方はナニがダレと戦ってるのかもハッキリとしない(わかりやすいカタルシスがない)抽象的な戦争を背景にしている、ということも面白いと言えば面白いのかもしれません。

話をスカイ・クロラ単体に戻すと、じゃあこの小説のキモっていったい何なんだということになる。
端的に、たぶんそれは飛行機(戦闘機)での戦闘シーンなんじゃないかと。それだけじゃないだろと言われるかもしれないけど、そうじゃないかなあ。丁寧に、緻密に描かれるドッグ・ファイトは、いま手元に本がないので正確な引用はできないのだけど、エンロンを切る、ロールしてターン、フラップを、ラダーを、などなどの専門的な用語にあふれながらも、全体の三分の一はあろうかというボリュームを占めていて、その用語も、わからないなりに四冊も読み進めると、何が起きてるのか(それなりには)わかるようになってくる。そこで描かれる空の美しさや、翼で風を切る爽快感や、相手とのシンクロや、すさまじい加速圧や、寒さや、あっけない死、といったことどもをいかにリアルに感じるか。あるいは楽しめるか。ここに尽きるんじゃないかと思うんだよね。

キルドレという存在の象徴するものとかディスコミュニケーションな主人公たちの心情描写とか、死、とかの「文学的」なパーツだけ取り出せば、この小説にそんなに目新しいものはなくて、あくまで「遙か上空で、ものすごい速さで動く機械に乗って殺し合う」という状況を仔細に描くことが物語の強度を高めているんじゃないかと。それがどう機能してこうなって、とはうまく説明できないのですが、そんな気がします。僕自身は「映画化が決まった」と帯に書いてあったの見て文庫で読み始めたのですが、押井守が手がける意味は、と考えて初めてこう思ったんだよね。戦闘機の空中戦、そりゃ映画でやりたいでしょうと。短絡的かもしれないけど、そこは大事だと思うし、楽しみでもある。
あとシリーズ3作目(?)の「ダウン・ツ・ヘヴン」で室屋義秀という人が解説を書いていて、エアショーやなんかで曲乗りをする専門のパイロットらしいのですが、この方の文章がすばらしかった。フィジカルで、理知的で、しかも品がある。哲学的とすら感じた。「人が空を飛ぶ」、ということにはそれだけですごい意味があるんじゃないか?って思いましたね。あ、でもこれすごい古典的な思いだな。

押井が「恋愛映画です」みたいなことを言ってるじゃないですか。それも面白いし、楽しみです。
えっこの原作で? っていう。
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