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Posted by - 2017.04.26,Wed
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Posted by LittKidd - 2008.06.25,Wed
厳正なる。『有頂天家族』/森見登美彦と出ました、ので再読。面白い!やっぱり面白い。
『太陽の塔』や『四畳半神話体系』で積み重ね続けたモチーフが良い具合に発酵して、ひとつのフィクションとして結実したのがこの小説だと思いました。狸・人間・天狗の種族の別はもとより、家族から始まってひいては京都という都市までを含む、大小複数の共同体とそのつながりを立体的に描くことで、作品の世界がこれまでより大きく広がっているし、何よりいまどきあそこまで堂々とした「大団円」の「物語」を描いた、ということに大きな拍手を送りたいです。こうゆうひとが年下だと思うと、もうため息しか出ないヨ。

ついでに書けていなかった他の本の感想を。

◎『人形つかい』/ロバート・A・ハインライン
「ひっそりと地球侵略もの」の嚆矢、といえるんでしょうか、そこはよく分からないんだけどようはゼイリブとか手塚治虫の『グランドール』みたいに、いつの間にか乗っ取られてゆく系のお話です。こちらのゲストは、ナメクジそっくりの(でかい)宇宙人さん。ヒトや動物の肩に乗っかってその意志を操ります。「操られていない」ことを証明するために、当局の職員はじめまだ大丈夫な合衆国民は、金属で出来た、露出の激しい、ほとんど水着じゃね?的な服装での生活を余儀なくされ…寒くなる前に決着を着けるための、国を二分しての戦争が始まるという。
ハインラインって完全にタカ派のコンサバなんだ…と思ってしまいそうになる、インディペンデンス・デイばりの国威発揚ノベルとしても読めちゃいますが、『月は無慈悲な夜の女王』を書いたひとだと思えば、結局開拓者精神というか、「自由と独立の国」のいち市民としての超揺るぎないアイデンティティを持ってるから、こういう「敵」との「戦い」を描くことにためらいがないわけなんだな、と勝手に納得。でも『宇宙の戦士』では力の正義みたいな概念を肯定してるとも言うし、これは読んでみないと何とも言えない。映画のスターシップは完全にその辺をおちょくっている感じですよね。
人形つかいに戻ると、話自体はさすがハインラインって感じにすごく面白くサクサク進む。解説(ハヤカワの文庫)には、当時のハインラインがSF界でどういう位置にいてどんな活躍をしてたか、みたいなことがわかりやすく丁寧に書いてありました。内容ほとんど忘れちゃったけど。タイトルが、攻殻の「人形使い」の元フレーズ、なのかどうかは分かりません。作中の件の服装がビキニアーマーの成立に与えた影響の度合いも不明です。

あー結局書きすぎた。寝ないと。

とりあえず次読む奴をルーレット。おい俺の筋肉!





わー。ディアスポラが出ちゃった。いまそんな体力ないよ俺。
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Posted by LittKidd - 2008.03.10,Mon
最近はニコチンの禁断症状もずいぶん治まってきた。そんなにぶるぶる震えません。
数ある依存性をもつ嗜好物の中でも、ニコチンのそれはさほど強いものじゃないらしい。たとえばアルコールやシャブなんかに比べれば全然。じゃあなんでこんなに(禁煙が)辛いのかっていうと、自分じゃよくはわかんないけど、アルコールやシャブなんかより手軽にやれて生活に近い部分があるから、ようは習慣の問題ですかね。あとはなんか心理的な要因(幼児期に端を発する口唇欲求とやらを満たすためのオシャブリ、の代わり)でもあるんでしょうか。でもタバコを吸ってりゃおっぱいを吸わなくても平気、というふうにはならない(逆も)からそのへん不思議ですね、やめた後でも。

表題の、森博嗣の小説四部作によく出てきます、このタバコが。登場人物のほとんどが愛煙家で、全作通して小道具という以上の存在感を与えられてもいて、読み終えたのは禁煙前だったから、これは助かった。以下ネタバレせずにはたぶん続けられないと思うんで未読の方は読まないで。

ストーリーの内容はまあいいとして、このシリーズで一貫して発せられるメッセージが、「地上は汚い、大人は汚い、空だけが綺麗だ、空で戦って死にたい」ということ。ここまで言い切ってるわけではないかもだけど、大枠で間違ってないと思います。だとするとピュ、ピュアなんだね。ずいぶん。でもそこがブレない、ところがキルドレという設定に不可欠なのはわかるし、そういう思想の結晶のような草薙水素は確かに美しいとも思う。あるシチュエーションで、彼女が大勢の若手パイロットを前に講義をするくだりがあるのだけど、そこなんて読んでてもうぐらぐらしちゃいますよ。自分の非ピュアさに。うすうす知ってたけど、自分にがっかり!そんな感じで。
そうしたピュアさを上塗りするかのように、章の間ごとにヘッセやらサリンジャーの文章が引用されたりするのですが、あれはちょっと引くな。そこまで作者が主張しなくても、と思う。そんなしつこく言わないとわからないようなことでもないし、そもそもそんなにたいしたことを言ってるわけでもないし。

といったことからもわかるように、バランスのとれたエンターテイメント作品ではないかもです。読む人によってはつまんないだろうなあ。あまり読者を喜ばせようともしないし…という点では例の図書館シリーズとは好対照。プロダクションI.Gがこの二作を(「一般受け」と「一般じゃない受け」の)両翼として…とかって考えてるかどうかは知らないけど、一方がわりと敵味方のはっきりとした、ドメスティックで現実味タップリないざこざを描いてるのに対して、もう一方はナニがダレと戦ってるのかもハッキリとしない(わかりやすいカタルシスがない)抽象的な戦争を背景にしている、ということも面白いと言えば面白いのかもしれません。

話をスカイ・クロラ単体に戻すと、じゃあこの小説のキモっていったい何なんだということになる。
端的に、たぶんそれは飛行機(戦闘機)での戦闘シーンなんじゃないかと。それだけじゃないだろと言われるかもしれないけど、そうじゃないかなあ。丁寧に、緻密に描かれるドッグ・ファイトは、いま手元に本がないので正確な引用はできないのだけど、エンロンを切る、ロールしてターン、フラップを、ラダーを、などなどの専門的な用語にあふれながらも、全体の三分の一はあろうかというボリュームを占めていて、その用語も、わからないなりに四冊も読み進めると、何が起きてるのか(それなりには)わかるようになってくる。そこで描かれる空の美しさや、翼で風を切る爽快感や、相手とのシンクロや、すさまじい加速圧や、寒さや、あっけない死、といったことどもをいかにリアルに感じるか。あるいは楽しめるか。ここに尽きるんじゃないかと思うんだよね。

キルドレという存在の象徴するものとかディスコミュニケーションな主人公たちの心情描写とか、死、とかの「文学的」なパーツだけ取り出せば、この小説にそんなに目新しいものはなくて、あくまで「遙か上空で、ものすごい速さで動く機械に乗って殺し合う」という状況を仔細に描くことが物語の強度を高めているんじゃないかと。それがどう機能してこうなって、とはうまく説明できないのですが、そんな気がします。僕自身は「映画化が決まった」と帯に書いてあったの見て文庫で読み始めたのですが、押井守が手がける意味は、と考えて初めてこう思ったんだよね。戦闘機の空中戦、そりゃ映画でやりたいでしょうと。短絡的かもしれないけど、そこは大事だと思うし、楽しみでもある。
あとシリーズ3作目(?)の「ダウン・ツ・ヘヴン」で室屋義秀という人が解説を書いていて、エアショーやなんかで曲乗りをする専門のパイロットらしいのですが、この方の文章がすばらしかった。フィジカルで、理知的で、しかも品がある。哲学的とすら感じた。「人が空を飛ぶ」、ということにはそれだけですごい意味があるんじゃないか?って思いましたね。あ、でもこれすごい古典的な思いだな。

押井が「恋愛映画です」みたいなことを言ってるじゃないですか。それも面白いし、楽しみです。
えっこの原作で? っていう。
Posted by LittKidd - 2008.02.13,Wed


「かくも毛深き家族愛!!」、この二つの惹句が、帯の上で躍ってます。ピンクの明朝がよく効いてる。表紙のペン画もすごくきれいだ。
ということでジャケ買い、はからずも大正解、な一冊をご紹介。07年9月に第一刷、森見登美彦という人の『有頂天家族』です。

現代の京都を舞台に、人と天狗と狸が織りなすドタバタの痛快活劇。
ごく簡単に説明してしまえばこんな感じ。三人兄弟の狸一家(兄弟とあとはお母さん)を中心に、色んな奴らが騒ぎを起こすのですが、基本ハートウォーミングな家族小説です。登場人物の造型がしっかりしてて、主人公から仇役、チョイ役までがすごく人間くさくて魅力的だったり、プロットに沿った心情描写がとても自然で、あと話自体が面白いのでついつい普通に引き込まれてしまったり、現代のテクノロジー溢れる京都と、あやかしの力を使う天狗・狸たちの世界が違和感なく不思議に融け合った世界観の手触りに、何とも言えない不思議な居心地の良さを感じたり、という以外、特筆すべき点のない普通の小説。

みたいな反語を使ってしまうくらい、まー面白かったです。
クライマックスでは泣いてしまいました(@山手線)。はずかしかった。

あと何かあるとしたら、絵がよく動きます。いや小説なんですけど、絵が動く、ていうのあるじゃないですか。キャラもストーリーもよく動く、出来のよいアニメを観てる感じ。ていうかぶっちゃけ、ものすごくジブリっぽくはある。と思った。また天狗の設定、というかノリ的なものが黒田硫黄の『大日本…』と地続きな風にも感じられ、作者はそっちの素養がおありの方なのでは、と勝手に推測してしまいます。違ったらごめんなさい。
お話は一応完結しますが、続きのシリーズがすでに幻冬舎のパピルスとゆう雑誌で連載されてるそうなので、次の単行本化が楽しみです。

捲土重来!捲土重来!!
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